放射線殺菌と輸入食品

放射線殺菌と輸入食品

放射線殺菌って、ご存知ですか?
食品に放射線を照射することにより、主に殺菌などの目的で使用されています。
日本では、ジャガイモの芽が出ないようにするため、ジャガイモにだけ放射線殺菌の使用が認められています。
日本以外でも約20カ国で、実際に使用されています。

放射線照射の主な利用例をご紹介します。
○乾燥野菜
細菌胞子による汚染の除去に利用されています。
○香辛料
コショウやカレー粉に、細菌胞子による汚染の除去に利用されています。
香辛料の場合、加熱やガスによる殺菌と比べて香りが飛びにくいなど、放射線照射は香辛料の殺菌法として最も優れているといわれています。
○水産物
オランダ・ベルギーで、エビなどの、腸炎ビブリオやコレラ菌等の殺菌に使用されています。
生の水産物の場合、薬品以外の殺菌法は、放射線殺菌しかありません。
○畜産物
鶏肉のサルモネラ菌の殺菌として、フランスやオランダで利用されています。
○果実類
フランスで、イチゴに利用されています。
イチゴは種の部分に菌が多く、さらに冷蔵してもイチゴの腐敗菌は低温でも繁殖するため、長持ちしませんでした。
フランスでは、包装時に放射線を照射することにより、商品の棚期限を約1週間延長させています。
○穀類
ウクライナで、輸入小麦の放射線殺菌を行なっています。
その他の多くの国では、臭化メチル処理が行なわれています。
環境汚染の立場から、臭化メチル処理の代替技術として、放射線殺菌が注目されています。


このように、各国で放射線の利用がされています。
日本でも、ジャガイモ以外にも放射殺菌を利用しようという動きもありますが、消費者団体や生協などの猛反発にあい、実現されていません。

ところで、今回放射線について書いたのは、こんなニュースがあったからです。

2008年11月21日、厚生労働省が、7月に中国から輸入した唐辛子に放射線が照射されていたと発表しました。
既に全量消費されていましたが、健康被害の訴えはないそうです。

前述したように、日本ではジャガイモにのみ放射線照射が認められいますが、ヨーロッパや中国などでは、香辛料の殺菌にも放射線が使用されています。

ここで注意していただきたいのは、放射線は残っていないということです。
残ってはいないのですが、食品の中に放射線が当たったことが原因で出来る物質があり、それを検出することで分かるのだそうです。

「放射線は残っていない」
これをどう考えるかにより、対応が変わってくるかと思います。

今回の報道では、厚生労働省は「食品衛生法違反になる」と判断しました。

ですが、例えば農薬の場合、栽培時に日本では禁止されている農薬を使用していたとしても、輸入時に農薬の残留がなかった場合、違反にはなりません。
なので、放射線の残留のない食品が「食品衛生法違反」になるのかどうかというのは、少し微妙な気がします。

とはいえ、一般消費者の立場からすれば、「放射線が照射された食品」を口に入れるのは、なんとなく嫌な気分がしますよね。
たとえ安全性に問題がないとしても。
…ジャガイモは平気で食べているのですが(滝汗)
人間とは、全く矛盾に満ちた、自分勝手な人種です(汗)